息子が小学校一年生だった頃、
彼の筆箱には沢山の折った鉛筆の芯がためてあった。
もったいない事だけれど、男の子だし、子どもなりのコレクションなのだと、特に気にしないで過ごしていた。
しばらくして、担任の先生から連絡帳へのメッセージ。
「筆箱に鉛筆のゴミが沢山溜まっていましたので、捨てさせました」
息子にとっては宝物かもしれない鉛筆の芯たちを「ゴミ」と言われてしまった違和感を持ちつつ「なぜ芯を溜めてはいけないのか?」聞いてみた。
答えは
「手むだ事をしては授業に集中できないでしょうから」
その答えにも違和感を持ちつつ、一応息子に先生が困っているかもしれない事を話してみた。しばらくして、筆箱には鉛筆の芯はなくなり、代わりに消しゴムのカスが大量に溜まっていた。
違うのだ、手むだ事をするから集中できないのではなく、授業時間じっと聞いているのがしんどいから、手むだ事でもして、我慢していたのだ。
結局、鉛筆の後ろをガジガジとかじったり、赤ペンの芯を溜めたり、一年ほど形を変えながら彼は手むだ事をしながら教室にいた。
その事を後々通級指導の先生に話した時、
「なんとか時間を過ごそうと彼なりに頑張って工夫してたんですね。」
と褒めてもらった時に、凍りついていた違和感がスルスルと溶けていった。
手むだ事万歳!!
gonkaka